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知っておくべき弔辞のやり方とマナー

お葬式の時に特に悩むのが「髪型」です。「この髪型や色でお葬式に行っても大丈夫だろうか?」そんな不安を抱えながら準備をする方は多いと思います。ここではそんなお葬式の際にご遺族が最低限知っておくべき髪型のマナーを男女別にご紹介しましょう。

最初に押さえておきたい「髪型のマナーの大原則」

具体的なマナーをご紹介する前に、「なぜ髪型のマナーが存在するのか?」「何のためにマナーを守らなければならないのか?」についてご紹介します。

髪型のマナーが存在するのは「お焼香の時に髪が当たらないようにする」「お辞儀の時に髪がバサりと垂れてしまわないようにする」のように、お葬式をスムーズに執り行う上で必要だからという理由と、「故人を偲び、最後の分かれの儀式にふさわしい髪型」のように、お葬式全体の雰囲気を壊さないために必要だから、という2つの理由があります。

これだけ聞くと難しく感じてしまいますが、そんなことはありません。
押さえるべきは「髪がお焼香やお辞儀の時に邪魔にならないようにまとめる」「余計な装飾はせず、清潔感のある髪型に」「装飾品は黒で統一」の3つだけです。

この3つをしっかりと意識していれば、ヘアアイロンで巻いたり、ピンクの可愛いリボンを付けたり、わざわざ三つ編みを作ったり、という発想にはなりづらいのではないでしょうか?

まずは具体的なマナーをご紹介する前に、まずはこの大原則をしっかり頭で意識しておきましょう。

押さえておくべき女性の髪型のマナー

女性は特に髪型のバリエーションが多く、また「ヘアピン」「シュシュ」「ゴム」「リボン」など髪につける装飾品なども男性と比べて豊富です。そのため、女性の方がお葬式の髪型に悩みやすい傾向があります。ここでは女性が押さえておくべき具体的な髪型のマナーを髪の長さ・色・装飾品に分けてご紹介します。

ロング・セミロングヘアーの場合(女性)

ロング・セミロングヘアーの場合は、お焼香の際に髪がお香に当たってしまったり、お辞儀の際に髪がばさっと垂れてしまう可能性があります。そのため、長い髪型の場合は「後ろで1つにまとめる」「後ろでお団子にしてまとめる」のが基本です。

前髪

前髪は目にかからないように左右に流し、表情がしっかりと故人に見えるように心がけましょう。

前髪

後ろ髪

後ろ髪を1つにまとめる、またお団子にしてまとめると言っても気になるのは「どの高さでまとめればよいか?」だと思います。お葬式など弔事の場合は耳より下でまとめるのが一般的です。

※逆に結婚式などの慶事は耳より上でまとめるのが一般的です。間違っても耳より上でまとめてしまい、周りに華やかで明るい印象を与えてしまわないように気をつけましょう。

後ろ髪

装飾品

ゴムやヘアピン、シュシュ、リボンなどの装飾品は基本的に黒色で統一しましょう。用意が無い場合は、暗い茶色などでも構いません。また、よく気になるのが「後ろで髪をまとめる際にリボンやシュシュなど華やかな形のものを使っていいか?」ということです。黒色であればリボンやシュシュなどを使っても構いません。華美すぎないものであればそのような装飾品を使ってまとめるのはOKです。お葬式の会場でもよく黒いリボンや花の形のシュシュ、またお団子をまとめるネットを使用している人をよくお見かけします。

装飾品

パーマをかけている場合

単に結ぶだけでは毛先が広がり、華やかな印象が出てしまいます。パーマの場合は単に後ろで結ぶだけではなく、毛先を内側に入れ込むようにまとめましょう。

パーマをかけている場合

※また、ロング・セミロングヘアーを後ろでまとめる際に、わざと横に毛束を残すサイドダウンが流行していますが、こちらもカジュアルで幼い印象を与えてしまいますので、基本的にはNGと言われています。

パーマをかけている場合 NG

ミディアム・ショートの場合(女性)

ミディアム・ショートヘアーの場合は、お焼香やお辞儀の際に邪魔になりにくいのでロングヘアーの方のように後ろでまとめる必要はありませんが、ミディアムのようにショートともロングとも言えない長さの場合は逆に「どういう髪型にすればいいのだろうか? 無理にでも後ろでまとめた方がいいのかな?」と悩んでしまいがちです。一般的なマナーをまとめましたので、もし悩んだ場合はそれを参考にまとめてみてはいかがでしょうか?

前髪

前髪が長すぎる場合は左右に分け、また逆に短すぎる場合は活動的で明るい印象があるためピンなどで前髪を留めて完全に額を出してしまう、もしくはウィッグなどを使って前髪を作っても良いと思います。

前髪

後ろ髪

ミディアム・ショートヘアーの場合は後ろで無理にまとめてしまうと、ピンやゴムが多く必要になったり、毛先が飛び出てだらしなくなってしまいがちなので基本的にはそのまま垂らした状態で問題ありません。
ミディアムの場合は肩に完全にかかるか? かからないか? 後ろ髪をまとめるか? まとめないか? の判断基準としていただければ問題ないと思います。
肩にかかる場合は後ろ髪をまとめる、肩にかからない場合は後ろ髪をそのまま垂らすといった具合です。

後ろ髪

装飾品

ミディアム・ショートヘアーの場合は後ろ髪をまとめる必要がある場合にのみ、黒色、または濃茶のゴムやピン、シュシュなどを使います。基本的には何もつけないのが一般的です。例外的に前髪が短すぎる場合にはウィッグを使う場合もあります。

装飾品

パーマをかけている場合(全体的に)

急な場合は仕方がありませんが、基本的には全体にわたりかかっているパーマはあまりふさわしくありません。その場合はヘアスプレーで一時的にストレートにしたり、例外的にゴムなどを使って後ろでまとめましょう。

パーマをかけている場合(全体的に)

パーマをかけている場合(部分的に)

外巻きや内巻きのように部分的にパーマをかけている場合には外巻きは避け、内巻きにするのが基本です。なぜなら外巻きは華やかな印象があるからです。

パーマをかけている場合(部分的に)

ベリーショートヘアーの女性の場合

近年ベリーショートヘアーの女性が増えています。ヘアピンやゴムなどでまとめる必要もなく、そのままで基本的には問題ありませんが、もし短すぎる前髪が明るく活動的な印象を与えてしまう場合にはウィッグを使って前髪を作るのも良いでしょう。

ベリーショートヘアー

押さえておくべき男性の髪型のマナー

男性は女性と比べて、髪が短く、ヘアースタイルのバリエーションが少ないため、基本的にはぼさぼさでなく、清潔感があるようにセットできていればOKです。しかし、近年はロングヘアーや独創的な髪型の男性も増えてきています。また女性と違い髭やワックスなどのマナーも押さえておく必要があります。ここでは男性が押さえておくべき具体的な髪型のマナーをご紹介します。

ロング・セミロングヘアーの場合(男性)

近年髪の長い男性が増えています。肩にかかるか? かからないか? を判断基準として、肩にかかる場合はオールバックにして髪を後ろでまとめる、肩にかからない場合はそのまま垂らすようにすれば問題ありません。

前髪

女性と同様に、前髪が長過ぎて目が隠れてしまう場合は、左右に分けたり、オールバックにして、表情がしっかりと故人に見えるように心がけましょう。

前髪

後ろ髪

髪が肩にかかる場合、セミロングだけれども前髪が長過ぎて目が隠れてしまう場合などはオールバックにセットしましょう。

後ろ髪

装飾品

オールバック時に後ろで髪をまとめるゴムなどは黒色で統一しましょう。

装飾品

パーマをかけている場合(全体的に)

急な場合は仕方がありませんが、基本的には全体にわたりかかっているパーマはあまりふさわしくありません。その場合はヘアスプレーで一時的にストレートにしたり、ゴムなどを使ってオールバックでまとめましょう。

パーマをかけている場合(全体的に)

パーマをかけている場合(部分的に)

トップなどに部分的にパーマを欠けている場合も、一時的にヘアスプレーでストレートにしたりする場合もあります。しかし男性の場合、自然な部分パーマが多いため、特徴的なパーマで無い限りそのままで問題ありません。

パーマをかけている場合(部分的に)

ショート・ベリーショートヘアーの場合(男性)

ショート・ベリーショートヘアーの男性の場合、基本的に清潔感があるようにセットされていれば、そのままで問題ありません。髪をワックスでツンと立てたりするのは攻撃的な印象があるためNGです。

女性と違い、髭をたくわえている男性も多いでしょう。基本的にはフォーマルな場所で髭を剃るのは最低限のマナーであると言われています。そのため、出来る限り髭は剃るようにしましょう。ご高齢の方が長年髭を伸ばしている場合などは例外です。

押さえておくべき髪色のマナー

髪色については「明るい髪色はNG」という大原則を意識しておけば、基本的には問題ありません。もし、金髪や、一部メッシュが入っているのであれば、ヘアスプレーなどを使って一時的に黒く染めましょう。

「一体どこまでが明るい髪型で、どこまでが明るい髪型ではないのか?」と疑問に思う方がいらっしゃるでしょう。その具体的な線引きや基準はありません。「この髪の色であれば大丈夫」といったご自身の判断に委ねられます。「少し明るすぎるかなぁ」と気になる場合には、濃茶や黒色のヘアスプレーで一時的に染めてしまうのが無難と言えるでしょう。

押さえておくべき整髪料のマナー

整髪料は「無香料」「艶感の強くないもの」を意識すれば問題ありません。
お葬式ですので、ご自身を彩る「香り」や華美な印象を与える「艶」などお洒落になる部分は押さえ、清潔感のあるスタイルにまとめるのがマナーです。

いかがでしたか? 髪型一つとってもこれほど多くのマナーが存在します。お葬式の髪型をセットする前に今一度マナーについて確認しておくことが大切です。

近年「個性を遵守する風潮」からこのようなマナーが徐々に緩和されてきているようです。また、このような訃報は突然やってくるものです。中には髪型を急に変えるのが難しい場合もあるかもしれません。

そのため、マナーとされていても、絶対的にこの髪型をしていては葬式に出てはダメと言い切れるものでありません。もしそういった場合には、無理に髪型を変えたりする必要はなく、一時的にヘアスプレーでまとめたり、色を変えたり「マナーを守ろうとしています」という姿勢を見せることが大切です。

お葬式は故人との最後のお別れの場です。しっかりとした姿を故人に見せる意味でも、ここに書かれている最低限のマナーだけでも意識しておくようにしましょう。