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ご遺族が知っておくべき香典のコト

通夜やお葬式の弔問客として香典をお渡しすることはあっても、ご遺族として香典を受け取った経験がない方は多いと思います。「香典 マナー」と検索しても、弔問客側の目線で書かれたものがほとんどで、ご遺族側の目線で書かれたものは少ないと思います。ここではお葬式を行うご遺族側の目線で、香典について知っておくべきマナーや知識をご紹介いたします。

香典とは?

そもそも香典とは一体なんのために納めていただくものなのでしょうか?
香典とは、人が亡くなった時にご遺族に贈るお香やお花に代わる金品のことです。香料とも言います。一般的には香典袋の中に古い紙幣を入れて、通夜や告別式の受付で弔問客から受け取ります。

金品のほかには、米、こわめし(餅米を蒸したもの、おこわなど)、野菜、ろうそく、線香などが添えられる場合もあります。なぜなら昔は、香典として飲食物を贈るのが一般的だったからです。

明治時代以降は金品を贈るのが一般的になっています。
これは香典に「故人に対するお供え物」だけでなく「突然の不幸に見舞われたご遺族への支援」という意味も込められているからです。

香典を受け取るタイミング

通常、人が亡くなると、通夜→葬儀→告別式といった流れでお葬式は進んでいきます。マナーとして香典を受け取るタイミングは通夜、葬儀、告別式の受付時、参列者が芳名帳に名前を記載する前と決まっています。

しかし、これは必ず芳名帳に名前を記載する前でなければならないという訳ではありません。弔問客が香典を出されたタイミングで頂くのが一般的です

香典の受け渡し手順と知っておくべきマナー

  1. 弔問客が「この度は御愁傷様でございます」などとお悔やみの挨拶をされる
  2. ご遺族の代わりに弔問にきてくださった方にお礼を述べる
  3. 芳名帳のご案内をする
  4. 弔問客が香典袋を出されたら「お預かりいたします」などと申し上げ丁寧に一礼します。この時、香典袋は必ず両手で受け取りましょう。
  5. 香典返しを即日に行う場合には、香典袋の表書きを確認し、決められた数の香典返しをお渡しする
    ※受付前に、夫婦連名の場合の香典はそれぞれ1個、会社など団体の場合は香典の数に応じて1個など、通夜・葬儀・告別式の担当者より支持があります。その指示に従い決められた数をお渡ししましょう。
  6. 香典袋の表書きを確認します。芳名帳に数字がふってある場合には、香典袋にもその数字をふるようにしましょう。
  7. 弔問客がその場を離れてから、受け取った香典袋を会計係に渡す、もしくは香典置き場に置きます。
    香典の中には現金が入っています。盗難や紛失など、不測の事態にならないように、香典の取り扱いには充分に注意を払いましょう。

近年増加中! 香典辞退とは?

最近では家族葬が増えている傾向もあり、ご遺族側が香典を辞退する「香典辞退」というケースが増えています。
その場合、弔問客に香典を用意していただく必要はありません。

いったいどのような理由で香典辞退が選択されることが多いのでしょうか?
実はご遺族側から香典辞退を選択するのには、下記様な理由があります。

・関東や関西など地域性の違い
・香典返しがご遺族にとって負担となる場合

また、香典辞退はご遺族側の意思なので、基本的には尊重するのがマナーとされていますが、香典辞退の旨を伝えても「本当に香典無しでいいのか?」判断に困る弔問客もいらっしゃると思います。

そのため、お葬式を執り行うご遺族側としては、案内状などに香典辞退する旨をしっかりとわかりやすく伝えるようにしましょう。具体的には下記様な文言を、訃報の連絡や葬儀の案内状に書き記しておくと良いでしょう。

「誠に勝手ながら、ご香典の儀は固くご辞退申し上げます」
「故人の遺志により、ご香典は辞退させていただきます」

また、通夜やお葬式の際にも、受付の前に香典辞退の内容を明記した看板を設置したり、直接言葉でもお伝えすれば、なお丁寧です。

しかし、本来香典には「故人に対するお供え物」「突然の不幸に見舞われたご遺族への支援」という意味合いがあるため、弔問客の中には気持ちとして「どうしてもお包みしたい」と思う方もいらっしゃるでしょう。

そういった場合には、かたくなに香典を拒む必要はありません。

一度断っても、それでも渡したいと言われたら、ありがたく受け取らせていただきましょう。

しかし、その場合は香典返しが必要になります。忌明けの四十九日あたりに、いただいた香典の半額程度の品物を贈るようにしましょう。

また、香典辞退をした場合であっても、通夜振る舞い(食事)や、会葬品(500円程度のもの)を用意します。しかし、これはお清めの意味や、式場まで足をお運びいただいたお礼であって、香典の有無は関係ありません。

このように、香典はある程度マナーが決められているものですが、必ず守らなければならないという訳ではありません。

お葬式のマナーは故人を慎む気持ちを持ってお集りいただいた弔問客への配慮を忘れないようにするための基本の型として作られたものです。例外はいくらでも存在します。

故人のお気持ちとしても、例えマナーが守れていなかったとしても「私の為に来てくれてありがとう」と思ってくれているはずです。

故人を慎む気持ちを持って行動すればよい。例外はいくらでもある。そういった寛容さを持つことも大切です。